• スマートファクトリーに適用可能
• 最優秀論文賞を複数回受賞
• 超低電力、無電源タグ

KAIST電気電子工学科のキム・ソンミン教授研究チームは、世界で初めて、スマートファクトリーで死角なく正確な位置追跡が可能な技術を開発したと発表した。この技術は、無電源タグを装着することで、障害物がある状況でもセンチメートル以下の精度で3次元位置追跡が可能である。

キム・ソンミン教授チームは、この研究を通して、2022年と2024年にモバイルコンピューティング分野で最も権威のある国際学会であるACM MobiSysで最優秀論文賞を受賞した。KAISTは、この学会で最優秀論文賞を複数回受賞した研究チームは、キム・ソンミン教授チーム以外に、米国のミシガン大学とイェール大学しかないとしている。

研究チームが開発したワイヤレスタグは、従来のUWB技術に比べて反射率が10倍以上高いミリ波（mmWave）を活用することで、障害物を迂回する反射信号を確保し、死角のない位置追跡を可能にする。反射の方向によって独自の信号を発生させるタグが、各信号の伝播経路を把握して、目標物の位置を追跡するという仕組みである。

この技術は、従来の技術が家具や家電など様々な屋内の障害物によって動作範囲が制限される問題を解決し、従来技術の15倍以上の3次元位置精度（8.3mm）を提供する。そのため、頻繁な接続障害が発生する現状の技術と比較して、屋内の目標物の正確な位置を安定的に追跡することができるため、スマートファクトリーや拡張現実（AR）など、広範な位置ベースのサービスに活用することができる。

ワイヤレスタグは、自ら無線信号を生成するのではなく、周囲の信号を反射することで動作する。周囲の光を反射する鏡と同じ原理で、信号生成に必要な電力を節約し、超低電力で動作し、太陽電池などの無電源で動作したり、コイン電池1個で40年以上動作したりすることができる。

キム・ソンミン教授は、「タグは、天井のタイルやコンピューター本体など、周囲のものを反射体として利用することで、任意の屋内環境で死角なく動作する」と説明し、「屋内位置追跡の安定性問題を解決することで、包括的な位置ベースサービスの普及を期待する」と述べた。